前回雇用保険についてお話ししましたが、雇用保険の料率は業種によっても料率が変わってきます
今回は雇用保険料はどのように計算しているのかをお話しします
雇用保険料とは?
「雇用保険料」とは、公的な労働保険制度である雇用保険の掛け金のことです
毎月給与から天引きされます
労働保険制度とは、「雇用保険」と「労災保険」の二つを合わせた総称で、国が管轄しています
雇用保険と労災保険の給付はそれぞれ別に行いますが、納付は労働基準監督署へ一緒に納めます
労災保険料は全て事業主負担ですが、
雇用保険料の支払いは事業主と従業員の双方負担です、事業主が多く支払うようになっています
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雇用保険料の対象と非対象
雇用保険料は、給与のみでなく賞与にも適用されます
雇用保険料を計算するのに、対象と非対象の賃金があります
雇用保険料対象
- 通勤手当(非課税も)
- 残業・深夜手当
- 家族手当
- 住宅手当
- 技能手当・教育手当
- 奨励手当
雇用保険非対象
- 役員報酬
- 退職金
- 立替金
- 慶弔見舞金
- 出張・宿泊費
- 休業補償
- 傷病手当金
- 解雇予告手当
通勤手当は所得税の計算は対象外ですが、雇用保険では対象です
雇用保険料率って?
雇用保険料は対象となる賃金に「雇用保険料率」を掛けて毎月計算しています
雇用保険料率は毎年見直しが行われており、変更がある場合は毎年4/1から施工されます
令和4年度は新型コロナウイルスの影響で、4/1と10/1に2段階引き上げが行われました
※「農林水産の事業」は、園芸サービス、牛馬の育成、酪農、養鶏、養豚、内水面養殖及び特定の船員を雇用する事業については一般の事業の率が適用されます
雇用保険料率が違うのはなぜ?
「一般の事業」「農林水産・清酒製造の事業」「建築の事業」の3つに分類され、保険料が異なります
「農林水産・清酒製造の事業」と「建築の事業」に当てはまらない事業全てが「一般の事業」に該当します
建設の事業が1番高く設定されていますね
・建設の事業
「建設の事業」は、正社員だけではなく個人事業者(一人親方)等と、建築物単位で一定期間だけ雇用契約を結ぶ場合が多いです
そのため失業給付を受けるケースが多くなると考えられるため、保険料率が一番高く設定されています
また、建設の事業には独自の助成金が多く、財源が雇用保険料から賄っており、
一般の事業でもらえる金額に上乗せして支給される助成金が多いことも理由です
・農林水産・清酒製造の事業
「農林水産・清酒製造の事業」は季節に左右され、不安定になることがあります
そのため、一般の事業に比べて雇用保険料率が高く設定されています
ただし、季節的な休業や縮小がないと厚生大臣が指定する、
園芸サービスの事業、内水面養殖の事業、船員が雇用される事業は「一般の事業」として扱われます
雇用保険料の計算方法
雇用保険料は、給与額(賞与額)×雇用保険料率で算出されます
例
令和5年度「一般の事業」で雇用保険料の対象賃金が計25万の場合
250,000×6÷1,000=1,500円
端数が出た場合は原則的には「50銭(0.5)以下の場合は切り捨て、50銭1厘(0.51)以上の場合は切り上げ」です
まとめ
令和5年度も4月に雇用保険料の改定があります
料率が上がっているため給与から天引きされる金額もほんの少し上がりますので事前に把握しておくと良いかと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました
※2023年3月現在の情報です