社会保険加入者が増加していますが、社会保険とは何か?加入すべきなのか?
迷われている方も多いかと思います
社会保険とは何か、加入条件、加入のメリット等をお話しします
社会保険とは?
社会保険制度とは、社会生活の中で起こるかもしれない様々なリスクに備えるための、公的な保険制度です
国や公的な団体が保険者として運営し、会社員や公務員を被保険者として、万一の際に給付を行う仕組みです
リスクには病気やケガ、老齢、介護、失業、労働災害などがあり、それぞれのリスクに応じて健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類があります
社会保険の種類
5種類の社会保険は「狭義の社会保険」と、「労働保険」に分けられます
「労働保険」は企業負担がやや多めでしたが、「狭義の社会保険」は企業と従業員が折半して負担します
狭義の社会保険
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
労働保険
- 労災保険
- 雇用保険
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雇用保険って何?
正社員の方だけでなくパートさんでも加入している方もいらっしゃるのではないでしょうか 毎月の給与から天引きされている雇用保険料とはどのような制度なのか? 誰が加入できるのか? 加入のメリット・デメリット ...
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健康保険とは?
健康保険とは業務外で病気やケガをした時に保障される医療保険のことです
病院で保険証を出しますよね
医療費の負担は年齢によって異なりますが、原則本人負担は3割です
(小学校入学までと70~74歳は2割負担、75歳以上は1割負担)
残りの7割は、全国健康保険協会または健康保険組合が負担しています
医療費の助成制度がある自治体もあります
厚生年金保険とは?
厚生年金保険とは公的年金のことです
20歳以上の国民は全員「国民年金保険」と呼ばれる公的年金制度に加入することになっていますが、企業の従業員や公務員は、国民年金保険も含まれている厚生年金保険料を支払います
そして原則65歳になると国民年金と併せて老齢厚生年金として給付されます
なお、受け取り開始を60歳や75歳に変更することが可能です。
介護保険とは?
介護保険は、被保険者に介護が必要と認定された時、介護サービスを受けられる保険のことです
40歳の誕生日を迎えると介護保険料の支払いが始まります
そして65歳の誕生日を迎えると給与からは天引きされず、年金から年金から天引きされます
社会保険加入のメリット
メリット
- もらえる年金の額が増える
- 手当を受け取ることができる
- 保険料は会社と折半
- 上限を気にせず働くことができる
もらえる年金の額が増える
社会保険の厚生年金保険へ加入すると将来受け取る年金が増額されます
厚生年金は在職中の収入をもとに計算され、加入期間が長ければ長いほど年金の額は増えます
手当を受け取ることができる
社会保険には様々な手当てがあります
業務外でけがや病気で休業した場合には「傷病手当金」、出産した際は「出産手当金」を受け取ることができます
保険料は会社と折半
被保険者の負担を軽減するため、保険料の半分は会社が支払います
被保険者は社会保険料の半分を負担します
上限を気にせず働くことができる
勤務時間や年収が社会保険の加入条件を満たさないように上限を意識しながら働いていますよね
社会保険に加入すると上限を気にすることなく働くことができ、収入アップにも繋がります
社会保険加入のデメリット
デメリット
- 手取りが減る
- 扶養から外れる
- 会社によっては責任が増える場合がある
手取りが減る
毎月の給与から社会保険料が天引きされるため、手取りの額は少なくなります
厚生年金の金額上乗せ等のメリットはありますが、手取りが減らないように考えると年収150万円程働いたほうが良いかと思います
扶養から外れる
ご自身で社会保険に加入すると扶養から外れます
会社によっては扶養家族がいると「配偶者手当」や「扶養手当」を支給しているところもあります
扶養から外れてしまうと、会社の基準によりますが手当がもらえなくなる可能性があります
会社によっては責任が増える場合がある
パート・アルバイトで社会保険に加入すると、通常のアルバイトよりも、より正社員に近い待遇になる場合もあります
会社も社会保険料を折半しており、責任感の増える仕事を任されるようになる可能性もあります
社会保険の加入条件は?
正社員の方はほとんど社会保険に加入していると思います
パート・アルバイトの方でも加入しなければならない場合もあり、さらにこの条件が2024年10月に変更になりますのでチェックしていきましょう
社会保険の加入条件
- 75歳未満の正社員や会社の代表者、役員等
- 70歳未満の以下に該当する人
・週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同様の業務に従事している
・所定労働時間と所定労働日数が正社員の4分の3以上である
2の条件に当てはまらないパート・アルバイトなどの短時間労働者であっても、以下の全てを満たしている場合は加入対象となります
短時間労働者の加入条件
- 従業員101人以上の企業(特定適用事業所)に勤務している
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない(夜間学生、通信制は除く)
2024年10月より社会保険適用範囲が拡大!?
法改正により、2024年10月から社会保険加入条件の従業員数が51人以上に引き下げられます
従業員数(上記加入条件を満たした被保険者)が51人以上の事業所では、条件を満たす短時間労働者は社会保険に加入しなければなりません
未加入のまま放置していると罰則が科せられる可能性があるため要注意です
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2024年10月から変更!社会保険適用拡大って何?パートも扶養から外れるってホント?
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まとめ
「2024年問題」と言われている社会保険の適用拡大により、パート・アルバイトの方でも社会保険に加入する方も増えるかと思います
加入を望まない方はシフト調整をする等、ご注意ください
加入するとご自身でも保険料を支払うため手取りは減りますが、将来受け取る年金の額が増える可能性があったり、損することはないかと思います
社会保険に加入を希望の方は会社にマイナンバーを提出して手続きをお願いしましょう
(以前は年金手帳の提出が必要でしたが、年金手帳の提出は不要になりました)
最後まで読んでいただきありがとうございました
※2023年7月時点の情報です