「住民税の金額は市によって違う」や「中心都市のほうが金額が高い」と聞いたことはありますか?
この噂は本当なのでしょうか?
今回は住民税の計算方法についてお伝えします
市によって金額が違う?
「住民税の金額は市によって違う」や「中心都市のほうが金額が高い」と思っている方もいらっしゃるかもしれません
…答えはNOです
市区町村に税率を変更する権限があり例外もありますが、住民税はどの市区町村でも原則同じなのです
(私も給与事務の仕事をする前は市区町村によって違うと思ってました)
住民税は、どの市町村に住んでいても同じ方法により算出されます
標準税率という制度があり、基本的にはどの市町村で課税されるとしても住民税額は同じ金額です
ただし、一部例外もあります
「均等割額」と「所得割額」という方法で住民税の金額を算出しており、標準税率ではない税率や、超過課税している市町村があるため、多少の差が出てくることがあります
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住民税の計算方法
住民税は、【所得割額】と【均等割額】の合計額で算出されます
住民税を計算する際、所得金額から所得控除を考慮して計算します
所得控除とは?
所得控除とは、最低限の生計費やそれぞれの能力に応じた負担をするために、一定の方法によって計算した金額を所得金額から控除することです
所得控除には種類があります
所得控除の種類
- 基礎控除
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 扶養控除
- 勤労学生控除
- ひとり親控除・寡婦控除
- 障がい者控除
- 生命保険料控除
- 自身保険料控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 医療非控除
- 雑損控除
これらの所得控除を控除して計算します
年末調整や確定申告の時に目にしますね
住民税の計算方法は?
住民税は、「所得割」と「均等割」の合計額で計算します
「所得割」と「均等割」とはそれぞれどのように計算しているのか、詳しく見ていきましょう
所得割とは?
「所得割」とは、前年の1月から12月までの所得金額に応じて課税されるものです
所得割=課税所得×所得割税率(「市町村民税」+「道府県民税」10%)-税額控除等
計算方法が複雑のため、流れだけですがざっくり解説します
①所得金額の計算
所得=給与収入-給与所得控除
②所得控除額の計算
社会保険料控除、生命保険料控除、基礎控除等の合計額
所得控除の種類について詳しくはコチラ
③課税所得金額の計算
課税所得=①給与所得-②所得控除
(1,000円未満の端数額は切り捨て)
④所得割額の計算
所得割額=③課税所得×10%
均等割とは?
均等割は固定で、所得割のようにそれぞれの所得により変動することはありません
均等割税は、基本的には全国一律5,000円(市町村民税:3,500円、道府県民税:1,500円)と定められています
しかし、自治体によって超過課税しているところもあり、一部例外もあります
平成26年度から令和5年度までの10年間は、東日本大震災復興基本法により、臨時的に個人住民税の均等割の標準税率が500円引き上げられています
まとめ
私も給与事務の仕事をする前までは住民税は市区町村によって金額が違うと思っていたのですが、住民税は原則どの市区町村でも同じです
住民税の金額は市区町村が計算して決定通知書を送ってくれるので、計算方法は知らなくてもよいかもしれませんが、今回はざっくり流れのみ紹介させていただきました
決定通知書が届いたら金額を必ず確認しましょう
最後まで読んでいただきありがとうございました
※2023年5月時点の情報です